歌舞伎×イヤホンガイド
T.Y
入社2年目
一瞬の「間」を読み、舞台の感動を耳元へ。新規開拓の第一人者としての道を切り拓く一人の開拓者が、現場で手にしたやりがいと未来への展望を語ります。
新規開拓した業務の仕事内容とやりがい
伝統芸能と観客を「0.1秒」の精度でつなぐ、歌舞伎座でのライブ送り出し
私が新規開拓メンバーとして携わっているのは、歌舞伎座における「イヤホンガイド」の送り出し業務です。これは、生の舞台の進行に合わせて、物語の解説や衣装、役者さんの情報をリアルタイムでお客様の耳元へ届ける仕事です。解説音声自体は事前に収録されていますが、役者さんの動きや間(ま)は公演ごとに異なるため、私たちは現場でその微妙な変化を読み取り、最適なタイミングで音声を送り出します。
この仕事の醍醐味は、生の舞台ならではの臨機応変な対応にあります。特に衣装の柄の解説などが、役者さんの見得や動きと完璧に重なった瞬間は、言葉にできないほど気持ちが良いものです。キューシートに沿いつつも、アドリブや当日の雰囲気に合わせて0.1秒単位の精度で送り出しを調整します。私たちの出すタイミング一つで、お客様がその世界にどれだけ深く没入できるかが決まります。緊張感はありますが、客席のお客様がイヤホンガイドを通じて深く舞台を理解し、楽しんでくださっている様子を間近で見られることに、大きなやりがいを感じています。
業務に挑戦することになった経緯
マネジャーに伝えていた「エンタメへの熱意」
私はすずまるに入社する前、7年間パーソナルトレーナーをしていました。幼少期からクラシックバレエやダンスなど「舞台に立つ」経験をしてきたため、いつかはエンターテインメントを支える側で働きたいという強い思いがありました。
入社当初、メインの業務はニュース番組の送出でしたが、私はマネジャーに「舞台やエンタメの世界が好きだ」という自分のバックグラウンドを伝えていました。その熱意を汲み取っていただき、入社1年目という早い段階で「この業務ならあなたに合うのではないか」と声をかけていただいたのがきっかけです。当時はまだすずまるとしても新規開拓の段階でしたが、自分の好きな世界に専門的なスキルを活かして関われるチャンスに、迷わず挑戦を決めました。
大変だったことと、苦悩の乗り越え方
「解説」が舞台の邪魔にならないために。関係者との対話で磨き上げたプロの技
最も苦労したのは、事前に準備した解説音声と、実際の舞台稽古での動きが一致しない場合の調整です。演出は日々変わるため、稽古を見て「この動きの間では解説が長すぎる」「音声が被ってしまう」といった問題が頻発します。
当初は歌舞伎の知識も浅く、舞台の流れを把握するだけで精一杯でしたが、私は解説者の方や関係各所と徹底的にコミュニケーションを重ねることでこれを乗り越えました。解説者の方に「音声をもう少し短く録り直してほしい」「ここにはこの説明を足したい」と具体的な提案を行い、本番に向けてクオリティを磨き上げていきました。
私たちの役割は、あくまで解説を通じて舞台の魅力を最大化することであり、解説が主役になってはいけません。解説者の方々のこだわりや思いを汲み取りつつ、舞台観劇の邪魔にならない絶妙な「塩梅」を見つけ出すまで試行錯誤を繰り返しました。その結果、関係者の方々からも信頼をいただき、現在では昼夜すべての公演を任せていただけるまでになりました。
今後の目標
まだ見ぬ世界を知るために。現場の数だけ広がる可能性を追い求めて
今後の目標は、特定の現場に留まらず、さらに多様なジャンルの現場を経験することです。歌舞伎の現場で得た知識や感覚は、他の番組制作や舞台制作にも必ず活かせると確信しています。
現場ごとに異なる「知らない世界」に触れることは、私自身の可能性を広げるだけでなく、すずまるができるお仕事の幅を広げることにもつながります。これからも「新たな世界を知りたい」という好奇心を原動力に、色々な方々と関わりながら、期待を超える価値を提供できるプロフェッショナルを目指したいです。