2026.11.05
「そこに愛はあるんか?」型に嵌めず、自走を促す育成のヒント
社長
後輩や部下の育成をしているとき、つい「なぜ教えた通りに動いてくれないんだろう」「もっとこう考えて動いてほしいのに」と感じる瞬間はありませんか?
仕事に対する強い情熱や責任感があるからこそ、「自分の成功パターンを教えてあげたい」という気持ちが生まれます。
それ自体は決して悪いことではありません。
しかし、自分の枠に相手を強引に当てはめようとすればするほど、育成は不思議とうまくいかなくなるものです。
なぜなら、人にはそれぞれ得意なやり方や物事の捉え方、成長のスピードがあるからです。
全員を同じ型に揃えることは一見すると効率的に思えますが、無理な押し付けは個性を消し、せっかくの成長にブレーキをかけてしまいます。
本来、私たちが目指すチームの姿は、全員をサイボーグのように同じ型に揃えることではなく、一人ひとりが持つ個性と力を最大限に発揮させることのはずです。
管理するのではなく、個性を活かす支援を
では、どうすれば相手の真の力を引き出せるのでしょうか。
大切なのは、視点を「どうやって自分の思い通りに動かすか」という管理から、「どうすればこの人が一番力を発揮できるか」という支援へと切り替えることです。
管理しようとする姿勢が強くなりすぎると、相手は「否定されている」と感じ、チームから心理的安全性が失われてしまいます。
意見が言えなくなったり、ミスを隠すようになってしまっては本末転倒です。
本当に成果を出し続ける人は、自分の正しさを証明することではなく、チーム全体の成果を最大化することを考えます。
相手の感情やコンディションに寄り添い、その個性を活かすサポートに回ることこそが、結果としてチームを一番遠く、そして最短で成果へと導く近道になります。
指導の渦中で、自分に問いかけたいこと
とはいえ、仕事の現場では間違いを正したり、時には厳しい言葉を伝えなければならない場面も訪れます。
そんなとき、私たちが大切にしているフレーズがあります。
「そこに愛はあるんか?」
「正しく教えること」自体が目的になってしまうと、人はつい正論を振りかざし、相手を論理的に追い詰めてしまいがちです。しかし、人間は正論だけでは育ちません。
指導を受ける側も、感情を持った一人の人間です。失敗すれば落ち込みますし、自分なりに一生懸命取り組んだからこそ、指摘を受けて深く傷つくこともあります。
そうした相手の葛藤や努力に対して、どこまで想像力を働かせられるか。
そこに、人を育てる側の「器」と「愛」が表れるのだと考えています。
相手の感情に寄り添うことは、決して甘やかすことではありません。
「この人にはもっと成長してほしい」「壁を乗り越えて活躍してほしい」と相手の可能性を本気で信じる愛があるからこそ、どんな言葉なら素直に前を向けるか、どんな順番なら受け止めやすいかを真剣に悩むのです。
背中を押し合える“はなまる”な組織を目指して
私たちの真の目的は、相手をコントロールすることではなく、自らの足で一歩前へ踏み出せるように背中を押すことです。
相手の心が安定し、力を最も発揮できる環境を整えられる人は、周囲から深く信頼され、組織全体の成果を大きく引き上げていきます。
社内のあちこちで、相手の可能性を信じた「愛のある育成」があふれていること。それこそが、すずまるが“はなまる”な組織であり続けるための指針です。
今日から指導に迷ったときは、ぜひ心の中で自分に問いかけてみてください。
「そこに愛はあるんか?」